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Vol.2 リレーインタビュー 赤坂璃宮銀座店 譚彦彬さん

Vol.2 赤坂璃宮銀座店 譚彦彬さん

譚 彦彬(たんひこあき)さんは、1943年横浜の中華街生まれ。芝の留園で修行後、名古屋、仙台などのホテルや京王プラザホテル、都ホテル、ホテルエドモントなどの中華料理店の料理長を歴任。周富徳さんから赤坂璃宮を引き継いだ譚さんが、万感の思いをこめて開店したのが「赤坂璃宮銀座店」です。素敵なお顔立ちのうえ笑顔がこぼれると、とてもやさしい印象になる譚さんで思わず「女性にもてますよね?」などと不躾な質問をしてしまったグルたまですが、料理にかける思いはとても純粋でひたむきでした。それではリレーインタビュー第2回、ごゆっくりお楽しみください。


 

 1.コックへの道

 2.あこがれの銀座へ

 3.こだわりの逸品

 4.極上の素材を求めて

 


 


  1、コックへの道

グルたま(インタビュー担当スタッフ:以下同):

譚さんの経歴を拝見するとすごい!の一言ですが、中華料理の道に入ったきっかけを教えてください。

 

 譚(敬称略:以下同):

僕は中華街の生まれで父親は横須賀でラーメン店をやったりしていました。両親からは「勉強して本国に帰ってなんとかしろ、勉強しないとコックだぞ!」といわれておりました。実際兄は勉強して日本橋の一流会社に勤務していますが、私は勉強せずに周さん(周富徳さん)らと遊んでばかりいたので、選択肢はコックしかなかったというのが真相ですね。

 

 グルたま:

修行はどちらのお店でしたか?

 

 譚:

中華街でしばらく働いてから芝の留園で修行しました。そして当時の田村町にあった中国飯店に移るのですが当時のお店には現在の広東料理界を支える人材がたくさんいましたね。全日空ホテル(現在のANAインターコンチネンタルホテル東京)の麥さん、ホテルオークラの梁さん、プリンス古希殿の潘さんや大阪ヒルトンの鄧さんなどです。

 

 グルたま:

偶然とはいえすごいメンバーが集まっていたわけですね。その後はどうされたのでしょうか?

 

 譚:

名古屋の御園飯店から仙台のホテルを回り、京王プラザに呼ばれて東京に戻り、その後ホテルエドモントで働きました。

 

 グルたま:

地方では味の嗜好は違うのですか。

 

 譚:

そうですね、やはり特性はあります。名古屋のお客様はとにかく濃い味、甘い味がお好きでした。逆に仙台はうすめの味付けでした。

 

 グルたま:

東京に戻られた時はやはり味の嗜好が一番気になりましたか?

 

 譚:

京王プラザでは46名の料理人を束ねたのですが、何と全員広東出身、私の発音ではコミュニケーションがとれず、何よりもこれが一番気がかりで広東語の教室に通って勉強したほどです。

 

 

2、あこがれの銀座へ

グルたま:

その後幼なじみの周富徳さんから赤坂璃宮を引き継がれて成功されて、とうとう銀座に進出されたわけですね!譚さんにとってなぜ銀座だったのでしょう?

 

譚:

ここは縁がある場所なんです、父が昭和通りに土地を持っていましたしね。これはその後売却して仲間の多い中華街に家を買ったのですが。
あと、修行した芝の留園は割と近いですからあこがれは当時から抱いていました。仲間も多いんですよ、有楽町の鮑さんは同じ村出身、維新號にも親戚が料理人としていました。

 

グルたま:

その“あこがれの銀座”への出店で特別に意識されたことはありますか?

 

譚:

赤坂ではカメにはいった紹興酒が中心でしたが銀座ではワインにこだわりたい、と考えました。
それでソムリエを入れたんですが、設計の段階で、大型のワインセラーが、しかも2台も入ってしまいビックリしました。このワインセラーはお店に入ってすぐに目につきますからインパクトがあるでしょう。
ただ、結果としてソムリエの知識や接客は他のスタッフにも大変いい影響を与えましたからとてもよかったなと思っています。このワインセラーのおかげか、今ワインの在庫は、90種類、300本ほどあるんですよ。

 

あこがれの銀座へ

 

グルたま:

銀座のお客様はいかがでしょう?

 

譚:

まず口が肥えていて、ワインや料理に関して本当によくご存じだという印象ですね。この点では赤坂や横浜と全く違う、私はニューヨークよりも上、世界一ではないかと考えています。
おもしろいのはたとえば前菜の焼き物とワインを楽しんでそれだけで帰ってしまうとか、フカヒレの姿煮とご飯だけ注文されるなど、当店のエッセンスを自由に主体的にお楽しみいただいていることです。

 

グルたま:

それはなかなか粋なお客様ですね!

 

譚:

これは以前から行なってきたことですが、お客様の反応は常に意識しています。裸の王様にはなりたくないのでお客様の声は必ずその日のうちに私の耳に届くようにとスタッフに徹底しています。
銀座はいろいろなお客様がいらっしゃいますね。例えば接待でいらっしゃる方のお料理は必ず取分けてさしあげますが、ご家族で来店される場合皆さんで大きなお皿からお取りいただいた方が親密な雰囲気が作れると考えています。
クラブの女性と同伴の方はお店に入る時間があるのでお料理は早めにお出ししないと途中でお帰りになってしまいます。

 

グルたま:

なるほどキメ細かい気遣いをされているのですね。ところで内装もかなりすっきりとした印象ですが。

 

譚:

そうですね。赤坂店はすべて引き継いだものであって、昔ながらの中華料理店の雰囲気でした。調度品から料理に至るまで全部。
そういう意味ではこの銀座店が本当の意味で私の考え方が形になったお店と言えます。
中華街で生まれ育った中で見てきた“あらっぽい”“粗野”な側面などは銀座を意識しながら引き算していって、内装でも黒や茶を基調にして、石造りを取り入れた洗練されたものにしたつもりです。

 

 

3.こだわりの逸品

こだわりの逸品


 

グルたま:

それではここで(お待ちかねの)こだわりの逸品をご紹介していただけますか。

 

譚:

かしこまりました。まず先ほどお話に出ました前菜の「焼き物」です。
これは焼き物専門の梁さんが心を込めて作っている名物で、4種類の肉の釜焼きとクラゲ、漬け物になります。

 

グルたま:

いずれもジューシーでおいしいです!何のお肉でしょうか?

 

譚:

鴨、豚、鶏…中国茶もお入れしましょう。

 

グルたま:

あ、どうもありがとうございます。

 

 

中国茶

 

中国茶

 

中国茶は彼の専門

 

 

譚:

中国茶は彼の専門です。茶葉ももちろん厳選していますが、じっくり蒸らしておいしく淹れています。

グルたま:

とても甘みがあっておいしいです!

 

蟹爪

 

 

譚:

次は蟹爪です。これもずいぶん研究して出来たモノですが中に沢山の具を入れています。

グルたま:

わかります、口の中で一体になって複雑なのに調和のとれたおいしさです。断面がわかるように切っていただきました。中の具はそれぞれがきちんと主張するように大きめに切ってあるんですね。

 

白身魚の蒸し焼き

 

 

譚:

お次は白身魚の蒸し焼きです。

グルたま:

ん~恐縮です、フルコースになりつつありますね。

譚:

この料理は、子供の頃我が家でよく食卓に登場してくる料理でした。母親が近所の川で魚をさばいていたのをよ く見ていましたね、私にとって「おふくろの味」と言えるものでとても懐かしいものです。昔、中華街の川ではみんなそうやって魚をさばいていたもので、それ らは大抵このように丸ごと姿蒸しにしていました。広東料理の中でも代表的なメニューですがとくに私にとっては思い入れのある料理といえるでしょう。

 

 

4.極上の素材を求めて


グルたま:

この蒸してあるお魚はなんですか?

 

譚:

これはハタですね。

 

グルたま:

とってもトプトプっとした感じでおいしいですね。

 

譚:

それは石垣島からひいてます。

 

グルたま:

ずいぶん遠くから持ってきているのですね。他にもいろいろなところから材料を手配されているのですか?

 

譚:

そうですね、同じ石垣島の川にはいいスッポンがいますのでこちらも送ってもらっています。青森の、まぐろで 有名な大間からアワビを、姫路からは干したタコを取り寄せています。そうそう話は変わりますが、ホタテなどもそうですが日本の干す技術は本当にすごいと思 います。中国でも一級品は日本製の干物なんですよ。

 

グルたま:

素材を生かす技術も日本がすごいって言っていただくとなんか嬉しくなります。

 

譚:

ほかにもたとえばたけのこの下処理も日本の技術は繊細で上品ですよ。中国では強火で調理する場合が多いですから気にならないんです。

 

グルたま:

送られてくる素材は必ずチェックなさいますか?

 

譚:

そうですね、当たり前のことですが素材は自然のものですからいつも同じものとは限らないですね。素材の状態によっては味付けだけでなく調理法を変えてお出しすることもあります。

 

グルたま:

私たちのわからないところで本当に手をかけていらっしゃるんですね。

 

譚:

そうですね、料理は同じメニューでも実は年中微妙にいじっています。もちろんこれもお客様にはわからないですが。

 

グルたま:

タンさん本日は大変ありがとうございました!!中身の濃いお話をいただき感動しました。

 

譚:

あ、最後にデザートをご用意しましたのでどうぞ。

 

グルたま:

(素敵!)ありがとうございます。

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