秋雨前線 9月29日
昨年のサイトでご好評をいただいていた「リレー・インタビュー」
ですが、今回は、少々コンパクトにして、いろいろな加盟店を
ご紹介していこうということになり、前回ご登場の『三亀』の
ご主人、南條さんにご紹介をいただきました。
南條「“和”一筋の私には、まるで接点も知識もない、インドの
食文化に興味があります。」ということで、ご同席をいただき、
座談会風に、いろいろと面白いお話をうかがうことができました。
昭和通り沿い4丁目、当組合事務所の二軒隣にある
「ナイルレストラン」は、日本のインド料理の最古参です。
初代ナイル氏(当代G.M.ナイルさんのお父様)は【革命の父】
として有名な政治家でいらっしゃいましたが(参照:
【知られざるインド独立闘争】)大変な親日家でもあり、
ナイルさんはお父様の「着物姿しか見たことがなかった」
そうです。(親子三代にわたる歴史的物語が、来春クランクイン
予定。内外の有名どころの俳優さんたちがたくさん出演、
ナイルさんご本人も、何かの役で出演なさるとか)
戦後間もない昭和24年、現在の場所に店を構えた頃には、いわゆる「洋食屋さん」以外には、「外国料理の文化」と呼べる店は、銀座にもまだ数えるほどしかなかったそうです。
そこで、「日印親善は台所から」というお父様のお言葉のもとに、インド版「お袋の味」を提供しつづけて60年。
もちろん、今ではインド料理のお店も増えましたが、独特の個性を守り続ける人気店です。
ナイルさんの信条となさっていること・・・
『初志を貫徹すること=自らのスタイルを変えないこと』
数々の雑誌や番組で紹介された“ムルギーランチ”だけでなく、
メニューもお皿のデザインも、そして仕入先も、変えることが
ないそうです。ちなみに、現在ナイルレストランで使用している
お米・野菜は、そのほとんどが岩手の長いお付き合いの農家の
もの。(東京農大卒のナイルさんは、超低農薬農法に格別の
こだわりもお持ちです。)
ナイル「うちのメニューは変えないけれど、日本のカレーも大好きですよ。蕎麦屋では必ず“カレー南蛮”を注文します。(笑)」
「90歳の母に、先日ムルギーランチを食べさせたら、涙ぐんで
『ああ、美味しくなったわねえ』と言ってくれました。店を
始めた頃は、材料入手だけでも大変でしたからね。」
オススメはコース料理¥2,800~:名物料理を少しずつ味わえて、最後に何分の一かのサイズのムルギーランチ付き。お得です!
インタビューの時に出していただいた“シャーミーカバーブ”(前菜:カレー風味の甘くないお饅頭)そしてチャイ(濃いミルクティー)が、とびきり美味しかったことも、申し添えます。
★これから銀座でお店を開きたい、と思われる方々へ、
ナイルさんからの一言;
「ここは、本物しか定着しない街だと思います。値段やスタイルは店によってさまざまですが、“確かな品質を常に提供しているか”、そして
“お客様が満足して、喜んで帰られるかどうか”
このふたつが、一番重要なポイントではないでしょうか?」
子供時代のお話、そして2階の壁いっぱいの【未完成の壁画】
(精密なインド画:千葉迦陵画伯)のことなど、魅力的な話題は
尽きないのですが、続きはまたいつか、≪銀座ライブラリー≫に
登場する日のお楽しみに・・・・。M.
ナイルレストランのホームページ: