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竹葉亭話

                2009年 師走 熱燗のおいしくなる頃

 前回ご登場いただいた、ナイルさんのご紹介の言葉:
「木挽町竹葉亭の風情とムードは本当に素晴らしいと思いますし、
鰻の焼き具合が、何といっても好みです。タレ、ご飯、香の物と、

どれをとっても美味しくて大好きなんです。
インドじゃ鰻を食べないと思うでしょ?でもね、南の方では
ぶつ切りにした鰻のカレーがあって、なかなかウマいですよ。
竹葉亭さんのはまさに『都会のウナギ』ですね。
それにもうひとつ!当主の別府さんの、布袋様のような笑顔、
福々しくて、本当に豊かな気分になれるんですね~~」
絶賛の嵐!です。(別府さんの優しい笑顔は素敵です。ただし、
布袋様のようなお腹ではありませんが・・・編集部注)

 

★ まずは「素材へのこだわり」
 全国に支店を持つ竹葉亭の場合、「何々はどこの産地の
もの、こちらは・・・」という買付けの量のレベルを超えています。
そこで古くから、静岡地方の池と契約、その池で育てたすべての
ウナギを買い上げる、というやり方を貫いています。
それでなければ、一定の品質を保つことは至難の業なのです。
 当代別府さんのサイトのコメントを読むと、
「中興の祖」二代:金七翁から受け継がれた当主の厳しい
こだわりと、料理を供することへの熱い思いがひしひしと
伝わってきます。 【竹葉亭のホームページ】 
http://www.unagi-chikuyoutei.co.jp/index.html

 

 素材について、だけではありません。竹葉亭の板場は、
和食方、鰻方二つに分かれていて、それぞれ6人ずつの
専門の職人さんがいます。「なんでもアリ」の飲食店も
多い中で、これはとても重要なこだわりポイントだと思います。
さらに特筆すべきは、ここで働く職人衆には、学校を出て
定年退職まで、竹葉亭一筋、という人の多いこと。
料理の基本はもとより、礼儀作法、人との接し方まで
一つの大きな家族の中で先輩から仕込まれ、身につけていく・・・
まさに、江戸時代から受け継がれる、日本の文化そのもの、
といえます。

 

★「まかない」というものがあります。
板場では、まだ洗い場しか任せてもらえない若い人に
全員の「ごはん当番」が回ってきます。
素材はお刺身の切り落とし部分や野菜の残り、上等のものとはいえ制約があり、

しかも先輩に「マズイ」と言わせるわけにはいきません。仮に「アジフライ」として、

50人分ものアジを一人か二人でさばいたとしたら・・・

これ以上の「修行」はあり得ませんね!

 

 今回編集部が御馳走にあずかったのは、まさにこの「まかない」から生まれ、

定番の人気メニューに大出世した『鯛茶漬け』です。

一日60~70食の注文があるそうです。
別府「現存するところでは、昭和5年のメニューに載っているんですよ。

明治末期には、もう出していたのかもしれません。」
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一膳目はお刺身ご飯、二膳目は、ワサビに
青ネギ、揉み海苔、擦りゴマと熱いお茶をかけて・・・
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 これは土瓶に見えますが、特注の真鍮製です。
時間がたっても、美味しいほうじ茶が冷めません。
扱う時には、ヤケドしないようご用心!

 

 

 

★ ナイルさん絶賛の木挽町本店の佇まいについて
別府「料理を供するということは、玄関を入ったところから始まっているものと

考えています。鰻屋として150年の歴史がありますが、木挽町本店は

「留守居茶屋」として始まり、「刀預かり所」となりました。近くの道場から帰りの

藩士たちが、刀を預けてひと風呂浴びて、浴衣掛けで飲食してくつろぐ、
という役目だったのです。昭和56年頃までは風呂場も残っていて、

子供のころはよく入っていましたよ。」

 

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  今回の取材は5丁目店でしたが、階段の途中や
小上がりのそこここに、清楚な椿の一輪差し。
「今朝、うちの庭から切って来たんですよ」

 

 

 ささやかな晴れの日の楽しみ、銀座でのお食事処は、
こんなおもてなしの心に、日々さりげなく支えられているのです。  M.

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