美味しい銀座

銀座のランチ・ディナー ・ エンターテイメント総合サイト

GINZA

「鳴門」さんの美味しい企み

                       花冷え 花曇り・・・そして花散らしの雨

 8丁目の高級ふぐ料理専門店「鳴門」さんと言えば・・・
シーズン中(10月~3月)の夜の部は、¥23,100の1コースのみ。
その鳴門のランチ各¥1,000は、知る人ぞ知るお値打ち物です。
ランチ・メニューe9b3b4e99680e38195e38293-010 

もともと銀座というところは、社員食堂のある大きなオフィスは少なく、今のようにコンビニなどのなかった時代には、ビジネス・ピープルの昼食はお弁当を持ってくるものだったそうです。そんな人々の食堂代わりになれたら、という気持ちと、夜の材料の無駄を出さない工夫から¥1,000ランチを始めて大層喜ばれ、これが人気になりました。(昼と夜の単価が30倍ほど違う、というのも、他にはない「二つの顔を持つお店」と言えますね(*^_^*)

 この人気ランチメニューを発展させ、シーズンオフに入った今月から新たに提供されているのは、おいしい魚料理4品&飲み物4杯セットで¥4,800というコンパクトお値打ちコース!!

 本日いただいたのは、お刺身3種、若竹煮、サバの味噌煮、彼岸ふぐ(オールシーズンです)の唐揚げ、それぞれが申し分のない材料を使い、量もたっぷりとしています。お酒呑みにはこたえられない品揃え、飲み物の追加オーダーは必至でしょう!
もちろん白いご飯もご用意できます。満足満腹の4品セットになること間違いナシです。
新セットの一例e9b3b4e99680e38195e38293-012

 

 

 この斬新なアイデアを形になさった当代:矢向(やこう)直人さんは飲食店ご亭主には珍しい、東工大のご出身。

 コンピューターの画質向上などにかかわる、当時としては最先端分野の研究者でいらっしゃいました。 数年後、店を継ぐことになったときには「全くの素人だった」そうで、化学分野の先輩や同僚からは、「味覚って18歳までに決定しているものらしいぞ。もうムズカシイんじゃないか?」との声に発奮、ひとり密かにミネラル・ウォーター数種類のテイスティングを実行したところ100%の正解で、「きっと大丈夫!」と自信を持ったそうです。

 

★ここで、今回の推薦者:竹葉亭の別府さんのコメント
「実は私もそちらの畑におりまして、継ぐことになったときには正直焦りました。何も修行してないし、不安は一杯でしたよ。でも、鳴門の先代繁雄氏は銀座の日本料理の組合のために大変尽力された男気のある方で、私を含め、銀座の和食業界みんながお世話になりました。美味しいものと良いサービスを常にみんなで勉強する、という会もご一緒しました。
(参照:「銀座・おもてなしの心ー銀座日本料理組合六十年史」・・・2006年出版)
 その息子さんが私と同じようにサラリーマンの道をたどられていることに、

特別な親近感を持ったことも事実です。」

 

 さて、件の矢向直人さん、まず最初は調理場の修行です。
「わあ!包丁ってこんなに重いんだ」というような素朴な感覚・感動の連続。何事にものめりこむ研究者としてのスタンスで大変楽しく取り組まれたとか。 
「調理場も研究所も、白衣を着ているのは同じなんですよね♪
ただその結果を論文にするか、食べてしまうかの違いだけで。」
・・・面白いな~。
 修行の中でも理数系の本領を遺憾なく発揮、
「ウム!この出汁はこの配合が最高だ!発見したゾ!」と勢い込んで他店のご主人に聞いてみると、
「ハイ(^_^)ウチも永年その配合でやっておりますよ。」とこともなげに返されてギャフン。

「プロの職人侮るべからず」と再認識なさったとか。

 

 

 次の課題は「経済新聞をまともに読んでいない自分改革」
また一念発起して市場経済・ユーザーの動向を独自に研究、時代にマッチしたお店のマネージメントに取り組み、現在では「サイグラム・コンサルタント」もなさっているのです。

(注:サイグラムとは、心理学に基いた人間関係改善で成果を出す、ということ)

 

 物心ついた時から現場にいて、何もかもを体で覚えてきた「叩き上げ」のタイプではありませんが、事象をまっすぐに受け止め、子供のような興味と熱意を持ってすべてに向かい、合理性を追求していく姿勢は、これからの経営の、素晴らしい水先案内人とお呼びしても良いかもしれません。
「失敗は恐れませんよ。化学の研究なんて失敗の積み重ねの上に成り立っているんです。」とサラリとにこやかにおっしゃる矢向さん。でも、決して合理性一辺倒ではありません。
「自分でいろいろな店に食べに出かけても、いわゆる”外食産業”のチェーン系の店に、さほどの美味しさや魅力は感じません。ここは、マニュアルでない“個”の良さを、真心のこもったサービスでアピールして、“飲食店の逆襲”をかけてみたいと思っているんです。」穏やかな語り口とはうらはらなこの熱いコメントに、同席の店主の方々も
思わず乗り出して、大きくうなずいておられました。

 

 

 

 シーズンに一度はふぐのコースを食べてみたいな、という気分ももちろんありますが、シーズンオフのふぐ料理やさんは腕利きの魚料理やさんであることをお忘れなく。
「銀座の良さはお客様の良さ。毎朝築地に通い、ごまかしのないものを誠心誠意の料理とサービスでお出しして、いつも心地よく飲んで食べていただける場を提供し続けること、それが銀座のお客様と飲食店の双方の願いであり、信頼の元ですよね。」
 
 銀座の飲食店は、そんな心意気を日々守り続け、発信しつづけているのです。

e9b3b4e99680e38195e38293-002

 「鳴門」ホームページ:

http://www.fugu-naruto.com/

COPYRIGHT©GINZA RYOINKUMIAI ALL RIGHTS RESERVED.
ページトップへ