美味しい銀座

銀座のランチ・ディナー ・ エンターテイメント総合サイト

GINZA

究極のサービスを当たり前に、そしてさりげなく ~「南蛮銀圓亭」~

銀座5丁目、西並木通りに面したモダンなビル、
ここが今回のご登場の星原隆志(ほしはら たかし)さんがオーナーのカリオカビルです。
ビルの7階にある「西洋料理 南蛮銀圓亭」でお話しを伺いました。

まずは、ご紹介者:つばめグリルの石倉知忠さんから。
「星原 隆志さんとは銀座の青年部的な《銀実会》の活動で
 同業、住まいがご近所という事もあり親しくしています。

 私より3つ年下ですが、相手の話を最後まで聞き意見を言う所、
 気遣いの細やかさ等私より数段大人です。

 早くに社長になられて大変にご苦労もおありと思いますが、
 ほとんどそんな事を感じさせない星原君の時折垣間見られる
 商売熱心な部分をもっともっとお聞かせ下さい!」

 

 
本日はよろしくお願いいたします。

実は、「南蛮1934」は昭和9年の祖父の代に創業したのですが、星原
私自身は銀座との関わりは実際あまり深くなくて、
3年前に、ほとんど何も語らないまま父が亡くなって、
引き継いだ時点からスタートというわけです。
その後は銀実会に入れていただき徐々にお付き合いも広がってきたので、
銀座の事も少しずつ教えていただいてます。

こちらは喫茶店の「カリオカ」、バーの「南蛮1934」、
そして洋食の「南蛮銀圓亭」の経営をなさっていますが、
今日は「南蛮銀圓亭」を中心にお話を伺います。

このお店は小川軒の支店として1972年に当ビル3階に開店した胡椒亭が前身となります。
その後経営方針が変わり、シェフが独立して1995年にみゆき通りにて銀圓亭が始まりますが、
諸事情により2006年に並木通りに移る際、、
「南蛮銀圓亭」として当社が経営することとなったいきさつがあります。

 

星原さんにとっての銀座とは・・

思い出としては、家族でよく食事に来ました。
その時待ち合わせに使っていたのが、
銀座通りの「ファミリア」という玩具店の2階のカフェで、
ここのプリンアラモードが大好物でした。

 
現在は父の後を継いで働き、また銀実会の活動などを通じて思っていることは、
銀座という街は網の目のように密接なつながりのなかに存在するということです。
料飲組合や西並木通り会もそうですし、
商店の方々と知りあう機会が多く、
それがゆえに関係がしっかりしているのではないでしょうか。

 

街で会えば、「こんにちは」から始まって親しくなれるし、いろいろな事を教わったり。

 
それは例えばどんなことでしょう

ひとことでいえば“銀座らしさ”でしょうか。

 

例えば、「銀座街づくり会議」では
ビルのデザインや外観について銀座らしさから逸脱しないかをチェックして、街の景観を保っています。
新しいブランドやお店のやり方をそのまま好き勝手にやられてしまうとうまくいかない時があります。
新しい時代の流れを取り入れつつも、
独自のルールにより銀座らしさを保ち続けることが、銀座の価値ではないでしょうか。

それで言うとパリのシャンゼリゼ通りにあるアメリカのハンバーガーショップも
茶色とグリーンを使った店舗サインに変えていましたね。


ほほぅ、そうでしたか。
素敵な街の価値はみんな大切にしたいとおもっているのですね。

 
銀座の価値ということで言えば、
お店が大きくても小さくても一流が集まるところ、来れば本物に会える街ということでしょうか。
一つ一つのお店がワンアンドオンリーの個性と品格を持っている。
そして女性一人でも安心して歩ける環境が出来ている事だと思います。

 
お店を続けるうえで「守っていきたい事」をお聞きしたいのですが
“南蛮”という店名で創業した・・・
この意味は「舶来」。
つまり欧米やアジアからの異国文化です。
異国の食文化を日本に紹介しようということが当社の創業理念でした。
コーヒー、バー、フレンチ、イタリアンからタイ料理まで。
先々代、先代はいろいろな食文化を日本に紹介してきました。

 
この姿勢を踏まえながらもこれからは逆、つまり日本から発信する時代ではないだろうかと。

老舗の和食、てんぷら、お寿司はもちろんですが、
外国から来て日本で咀嚼され発展した洋食やバーも立派な日本文化だと思います。

 
お店では具体的にどのようにされていますか?
前菜洋食の前菜は、小皿にて少量ずつ懐石風に供する小川軒のスタイルを踏襲しています。

日本の四季をお皿から感じられるように、季節の食材を積極的に取り入れたり。

国産牛のステーキはお醤油とからしを添えて・・・などなど

実際ホテルのコンシェルジュからのご案内で来店される外国のお客さまも増えてきました。

 
星原さんにとって「飲食という仕事の原点」となったきっかけや経験はありますか?

3年間アメリカに滞在した経験があります。

アメリカを旅する中で、
サービスとは「entertainment = 当たり前のこと+どうやって楽しませるか」であると学びました。
珈琲でもワインでもサービスする人で味わいや楽しさが変わる。
料理とともに提供される笑顔と「enjoy!」の言葉が、
レストランでのひと時をより一層豊かな体験にさせてくれました。

 
当時の経験がお店の経営にも活かされているのですね!

亡くなった父から教わったこともたくさんあります。

子供の頃は家族で外食がいやでしたね、
うちは団欒などという言葉とは遠い雰囲気で、マナーの勉強の場だったのです。
父にも敬語を使い、ナイフとフォークの使い方から始まって、
飲物を飲む際はまず唇を拭いてグラスの縁に汚れがつかないようにしたり、
トイレに行っては後の人のためにきれいにして出てきたり・・・
“相手があっての自分”という考え方を言われました。

これは接客にも当てはまることで、
お客様の意思、意図を見抜く、何をしたいのか、してほしいのかを常に考えるのだと。

ホールにいてお客様に「すみません」と言わせない、言われる前に動く!

こんなことを当たり前のこととして仕込まれました。

そしてこういったことは頭でわかっているというより“筋肉”になっている、そんな気がします。
鍛えられて出来るようになると、キチンと続けていれば忘れませんよね。

今、お店では出入りの業者さんにもみんな「こんにちは」と声をかけて、
暑かったらお水の一杯でも差し上げる気遣いをしています。

警備の人やごみ収集の作業員さんまで、
銀座で、この街で働かせていただいているといった気持ちを持って接すれば、一つにつながれる、
そんな気がしていますし、そうあってほしいと思っています。

 
まだまだ銀座では、若手といわれる星原さん。
でも、飲食に携わる心構えと経験はしっかりと店舗の中で実践しています。
‘美味しい食事+サービスの極意’を楽しむなら、
今宵は是非「南蛮銀圓亭」へお越しください。

COPYRIGHT©GINZA RYOINKUMIAI ALL RIGHTS RESERVED.
ページトップへ